Climb Every Mountain
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島田娘
台風が去り、好天。
行楽日和。
直樹が部活があるというので、弁当持たせ、送り出してから、出発。
そんな時間からでも山に登れる。地元民の特権だ。
バスに乗車したのは、我々2人。
空いてるのかと思いきや、菅の台バスセンターでは満員に。乗れない人が長蛇の列で次のバスを待つ。
当然、ロープウェイも混雑。時刻表無視の9分間隔連続運転とのことだったが、乗車定員も抑え気味のようで、やっぱり長蛇の列。初めて整理券をもらう。20分ほど待っただろうか。
ほとんどの登山客は木曽駒ヶ岳を目指すのだろう。八丁坂を登り乗越浄土へ。
混雑を避け、我々は極楽平方面へ登っていく。
極楽平まで来る人も多くはないが、そこからさらに空木方面に向かう人は(こんな時間には)ほとんどいない。「今日は檜尾避難小屋まで」という人ひとりと出会っただけ。
誰もいないので、三ノ沢岳山頂に見えた人影に向かって「ヤッホー」と叫んでみた。反応はなかったが。
ロープウェイのアナウンスでは「混雑時には2時間待ちも」とのことだったので、島田娘まで歩いて、早々に退散。
気持ちの良い散歩だったけれど、朝8時のバスに乗って、12時半には帰宅。料金がひとり4,640円と思うと、ちょっと贅沢すぎるお散歩だなぁ。
2020年10月11日 奥さんと
鎌池&大姥山
連休。爺ヶ岳へ。
なんだかおかしい。
この先には扇沢駅しかないはずの地点で、何台かのクルマとすれ違う。
注意深く見ると、いずれも県外ナンバー。登山客としか思えない。
前日、下山後に車中泊し、これから別の登山口に向かうような猛者だろうか?
午前5時半にはなっていなかったハズだ。扇沢駅までたどり着いて、理解する。
扇沢の駐車場が満車。無料、有料を問わず、駐車場はすべて満車。柏原新道の登山口から数キロ下まで路駐で溢れている。
すれ違ったのは諦めて戻って来たクルマだったのだ。
我々も諦めて戻ることに。多くのクルマとすれ違う。
まさか爺ヶ岳に登れないことなど想定していなかったので、どうしたものかと途方に暮れる。
まだ半分眠っている灰色の脳細胞から記憶を呼び起こす。
雨飾山の隣りに大渚山という山があったはずだ。確か信州百名山にも選ばれていたのではなかったか。登山口までのルートもだいたい分かるし…。
そうして、大渚山へ。
登山道崩落のため通行禁止、とか。
麓の鎌池を一周した。
疲れていたので仮眠の後、ネット検索の結果、大姥山を目指す。
自宅への帰路の途中という認識だったのに、山道を延々と運転することに。
山頂に東屋があって、そこで昼寝した。
「大穴」という場所は、一見の価値あり。
疲れ果てて、よく憶えていない。
散々な一日だった。
2020年9月21日 奥さんと
湯俣温泉
温泉は好きじゃない。
まずはあの「温泉の臭い」が嫌いだ。
「硫黄の匂い♡」
とか言ってる奴に言っておきたいが、硫黄は無臭だ。
あのニオイは硫化水素。教科書的には「腐卵臭」と習う。
高校の化学の実験で、硫化水素を発生させた。あの授業(と刺激臭の二酸化窒素を発生させた授業)だけは忘れられない。
たまに硫化水素で自殺する人がいるが、冗談じゃない。硫化水素を嗅がされるくらいなら、死んだ方がマシだ(違。
ニオイは我慢しよう。登山したら、自分自身のニオイの方がたまんないんだし。
下山後に温泉で汗を流すことが好きな人は多い。
この気持ちは分かる。
温泉に入って
「うぅ~、生き返る!」
で、はじめて登山が完結するんだという気持ちはすごくよく分かる。
完結するなら構わない。
風呂入って、ビール飲んで、寝る。
サイコーじゃないか。
でも、ぼくの登山はたいてい、下山後にクルマの長時間運転が待っている。温泉に入ったら疲れがどっと出て、運転どころじゃなくなってしまう。
完全自動運転が実現したら、温泉に入るよ。
それまでは、自宅で気兼ねなく風呂に入って、そのままだらしなく寝る方が、ぼくは好きだ。
というわけで、この度の友人からの
「湯俣温泉に行かない?」
という誘いにも、取り立てて惹かれるものがあったわけではない。
「温泉なんて、奥さんと行けば良いじゃないか」
って。
それでもまあ一応調べてみるか、と。
「なんだこりゃ。おもしろそうじゃん」
つーワケで、行ってまいりました。
いやこれはですね、行ってみる価値はありますよ。
まずは水の色。
高瀬ダムのエメラルドグリーンは、ある所からスカイブルーへ。
湯俣温泉付近は、白濁した水たまりと、黒い水の流れ。
こんなの今までに見たことがない。
温泉での「入浴」もね。
誰もいないのを良いことに、50手前のオッサン2人が素っ裸で
「うわっ冷たーあちちちっ」
つって。
川は冷たい水が流れていて、温泉からは熱湯が噴き出している。
ちょうど良いところなんて、そうそうない。
ほどよい湯加減かと、ちょっと油断すると、熱湯が噴き出してくるのだ。
♪A CHI CHI A CHI 燃えてるんだろうか
♪もう A CHI CHI A CHI 感じたんだろうか
Oh Yeah !
つーか、
Oh You !(お湯)
バカバカしいけど、めっちゃ楽しかった。
皆さんにも、是非一度訪れてもらいたい場所だ。
訪れるにあたり、唯一の問題点が、アプローチ。
晴嵐荘付近からは河原歩きになるが、かつて「伊藤新道」と呼ばれたその道は、すでに廃道となって久しい。
一箇所、巨石にしがみつきながら回り込む必要があって、ここがぼくには恐怖。
以前にも書いたことがあるけれど、恐怖の感じ方は人それぞれ。
同じように滑落を恐れるのであっても、単純な高さに恐怖する人もいれば、ぼくなどは滑落の可能性に恐怖する。
大キレットではまったく恐怖心は感じなかったが、この湯俣温泉で岩にしがみつきつつ足が1ミリ滑っただけで、震えるほどの恐怖を感じてしまう。仮に落ちても、おそらくケガもせず、びしょ濡れになるだけだったにしても。
また、温泉にたどり着くには、渡渉せねばならない。
ちょうど伊藤新道を下りてきたという猛者の方がいて、アドバイスをもらう。
濡れずに渡れる場所はないこと。登山靴ではムリなので、靴下で渡るべきだということ。
なんとかたどり着くことが出来ました。ありがとうございました。
高瀬ダムから晴嵐荘までの間は、本来の道が崩落している場所が数ヶ所あるが、いずれも迂回路があり、その点は問題ない。
それ以外の部分は完璧に整備されていて歩きやすい。ほぼフラットで、登山道と言うよりは遊歩道。
とは言え、距離はかなりあるので、疲れる。
問題は、七倉山荘から高瀬ダムの間。
往路は、待機しているタクシーに乗るべきだろう(約2,400円)。
帰路をどうするか。高瀬ダムからタクシーを呼ぶと、タクシーの到着までに1時間以上かかる。歩けば1時間。我々は歩いたが、これが想像以上に大変だった。
高瀬ダムの斜面を九十九折りで下る。九十九折りとは言っても、一本調子の下り。しかもなかなかの勾配。足首が痛い。
下り終えると、今度はトンネルの連続。トンネルの中で十数台になるだろうか、大型ダンプとすれ違うのも、かなりストレス。
高瀬ダムから七倉山荘まで、全線コンクリートによる舗装路(ちゃんと憶えてはいないが、アスファルトの箇所はなかったと思う)。
コンクリートの舗装路が、こんなに足裏にダメージをもたらすとは知らなかった。
渡渉したことも理由かも知れないが、足の裏に水ぶくれが出来ていた。
どうも痛いと思ったよ。
個人的には、先月の二泊三日の裏銀座縦走よりも大きいなダメージ。疲労感。
裏銀座縦走の時に見下ろした、谷底を歩くというのも感慨深かった。
非常にバカバカしく、ダメージも大きかったけれど、でも、ぼく自身の私的な登山史に残すべき、印象深い一日でした。
2020年9月16日 米っちょと
裏銀座縦走(高瀬ダムから新穂高まで)
ヤマロク登山隊、本年の夏のお泊まり山行は、裏銀座縦走。
高瀬ダムから新穂高まで、野口五郎小屋と双六小屋に泊まる、二泊三日40km超の行程だ。
コロナの影響か、覚さんからは打診がなかったらしい。結局2週間前に米っちょからのお誘い。西村くんの都合が付かず、二人きり。
縦走するにあたり、あらかじめ新穂高の無料駐車場にクルマをデポしておく。
デポする際に2台で行って、西穂に登る予定が悪天候のため霧ヶ峰周回となったのが、先日の山行。
ちなみに、今回行った七倉山荘のタクシー待合場所の掲示によれば、タクシー代は七倉ー新穂高間は4万円らしい。
コロナの影響で、山小屋は完全予約制で人数制限をしているとのこと。
野口五郎小屋は8番まで番号の振ってある部屋に、2人。
双六小屋は24番までの部屋に、4人での利用だった。
以前宿泊代はどこも9千円だったと思うが、今回はそれぞれ1万円と1万1千円。
2年前に米っちょが泊まった三俣山荘の「布団2枚に5人」を思えばよっぽど良い。
天気にも恵まれ、素晴らしい山行だった。
天才、米っちょにも恐れ入った。というハナシはCOLUMN「ヨネか、ヨネ以外か。」に書きました。
2020年8月18~20日 米っちょと
赤岳(杣添尾根)
ぼくは何度か登っている赤岳。
一度も登ったことのない奥さんは赤岳登頂が念願とのことで、機会をうかがっていた。
一緒に登るにあたり、ルートを考える。
美濃戸から行者小屋経由での登頂がポピュラーなルートだと思うけれど、ぼくは下山時の行者小屋からがいつもツラくなってしまう。
「行者小屋まで動く歩道を整備してくれよ!」と悪態をつきたくなるほど、毎度ウンザリしてしまうのだ。
というわけで、美濃戸からのルートは避けたい。
ぼくが考えたのは、県界尾根登山口からの真教寺尾根ピストン。
以前、県界尾根を登って真教寺尾根を下りたことがあって、意外に楽だった記憶がある。
ただまぁ県界尾根はちょっと怖いので、真教寺尾根ピストンかな。県界尾根登山口からが最短かな、と。
奥さんが、杣添尾根を提案してくる。
なるほど。
ぼくは歩いたことのないルート。でも、本人がそこで良いというのだから、そこにしよう。赤線も増えて、ラッキーだ。
調べると、むしろこちらが最短かも知れない。
正午前の下山を目指して、レッツゴー。
最初はかなり良いペースで登る。
これは楽勝かと思いきや、途中で、ガクッとペースが落ちる。
天気が良くて写真を撮りまくったので進めなくなったり、(例年ほどではないかも知れないが)そこそこの混雑で若干の渋滞もあったり。でも、一番の原因は、暑さ。
暑さにやられて、まったくスピードが出なかった。
最後は、ヘロヘロになって下山。
下山後、帰宅。
室内の温度計が32.6℃だって。長野県内ですよ?さわやか信州どこ行った?
全国的にも、異常な暑さだった模様。
まいっちゃうね、この異常気象。
2020年8月15日 奥さんと
天狗山&御陵山(おみはかやま)
貴重な晴れ予報。水曜休みの米っちょから誘いがあるかと思ったら、ない。もしかして、ぼくのことを忘れてしまったのだろうか。そう、彼は忘れ物王子。これまでに、ありとあらゆるものを忘れている。ぼくのことを忘れても、不思議ではない。
なんつって思っていたけれど、忘れ物についてぼくも人のことを言える立場ではない。
米っちょが靴の中敷きを忘れたとき、そんなもの忘れるなんてあり得ない、と思っていたら、ぼくも先日忘れちゃったんだよね。ぼくが忘れ物第二王子か。
なんつって思っていたんだけど、ぼくの方が酷いかも知れない。なんと、今回ぼくはザックを忘れた。登山に行くのにザックを忘れるなんて、そんなことあり得る?自分で自分に呆れた。
ぼくが先に忘れ物王の称号を手にしてしまうかも知れない。いやだ。
さて、山だけど、あまり見たことのないような花がたくさん咲いている。知らなかったけど、天狗山は新花の百名山なんだとか。蝶もたくさんいた。望遠レンズを持っていなかったので撮影に至らなかったけれど、鳥も多い。
楽しい岩稜歩き(天狗山)と気持ちの良い尾根歩き(御陵山)。どちらもオススメです。お手軽に登れる山を探している方は、是非どうぞ。
2020年7月22日 一人で
針ノ木峠
あ…ありのまま
今起こった事を話すぜ!
「オレたちは雪渓を登っていた
と思ったらいつのまにか藪漕ぎしていた」
な…何を言っているのかわからねーと思うが
オレたちも何をしてるのかわからなかった…
梅雨の真っ只中、平日。針ノ木雪渓に、我々の他は誰もいない。
ほどよく締まった雪質に、トレースは見当たらない。
進行方向はガスの中。
気が付くと、隣の沢を登っていた。
これはおかしいと気付き、トラバース。一旦下り再度登るという選択はなかった。
「それ大変じゃん。ここ突っ切ろ」
我々の前に立ちはだかるのは、ダケカンバ。深い雪にも負けずに根を張る、ダケカンバの木々。
ぼくは、ひっくり返ってカメラのレンズフードを破損。米っちょは、虫に刺されて耳が腫れ上がる。どう考えても一旦下った方がマシだった。結局、1時間近くの悪戦苦闘。
なんとか切り抜けたものの、テンションだだ下がり。
「もう、撤退しよ」
「そうするか…」
と言った瞬間に、少し日が差す。
「おおっ」
「行くか」
というわけで、針ノ木小屋までは頑張ってみることに。雪渓の真っ只中じゃ、休憩もままならないしね。
針ノ木小屋は営業していない。
外のベンチで、しばし休憩。
「蓮華、どうする?」
「いや、ボクはもういいよ」
「そっか」
「米っちょ、行ってきなよ」
「亀ちゃんも、一緒に行こうよ」
「いや、ボクはもう登ったことあるから。天気も冴えないし」
「じゃあオレも行かない」
「いいの?」
「なにが?」
「下山したら言うよ?「米っちょ、蓮華岳に登ったことないの?」って」
「うっ…」
結局、米っちょは、ピークハントに。
ぼくは、針ノ木小屋の外のベンチで昼寝。誰もいないので、ベンチに横になっての昼寝。
これが強烈。強烈な疲労回復効果。
登山中に横になって昼寝をした経験はなかったけれど、これはイイね!
1時間半で蓮華岳を往復した米っちょが帰るまで、ぐっすり。
ぼくよりはるかに体力のある米っちょが、疲労困憊に見える。
ぼくは、ワリと元気ハツラツで下山。
ちょっと良い気分。
2020年6月24日 米っちょと
蝶ヶ岳
「ヤマロクに3時ね」
という米っちょの台詞を懐かしく感じてしまう。
二人で登るのは、ちょうど1年ぶり。
この1年、単独で、あるいは奥さんと一緒にちょこちょこ登ってはいた。しかし例年通り、花粉症シーズンに完全引き籠もり生活。からの今年は「ステイホーム」だ。火星人に進化してしまうのではないかというほどに歩かない生活だった。
商売も低調で、テンション上がらず、なんだかすべてに対してやる気が出ない。
でもさすがにこれはマズい、ということで、最近ようやく自宅周辺で散歩を始めたところ。
そんなタイミングでのお誘いだった。
「山でも登らなくちゃさ、鬱になっちゃうよ」
同じく自営業の米っちょは、ぼくの気持ちを代弁してくれるかのよう。
目的地はいくつか挙がったけれど、何度目かの蝶ヶ岳に。
蝶ヶ岳なら、登山道は整備されて危険な箇所もないし、極端な急登があるわけでもなく、手頃で良いんじゃないの、と。
ナメてた。
蝶ヶ岳、ナメてた。
蝶ヶ岳より、自分の不摂生をナメてた。
もう、ヘトヘト。
帰って、バタンキュー。
翌日、全身筋肉痛。
蝶ヶ岳がお手頃になるくらいには復活したい。
2020年6月17日 米っちょと
高烏谷山(たかずやさん)
快晴。
遠出はできないけれど少し歩きたかったので、昨年末に歩いた所の続きで、高烏谷山を目指すことに。
昨年末の段階では、5cmほどとは言えしっかり積雪があって、トレッキングシューズで行ったことを少し後悔したので、今回は冬靴で。
積雪、なし。
市内に住んでいるのに、分からないものだなぁ。
歩くのは初めてだけれど、クルマでは何度も走っている場所。何も心配せずに歩く。
途中、林道歩きに退屈してきたときに、おあつらえ向きの登山道が現れる。迷わず、そちらを進む。
歩いて分かったけれど、きのこ山として整備されている。冬で良かった。秋だったらひと悶着あったかも知れない。
それにしても、立派な道ができている。どれだけのコストがかかっているのかは分からないけれど、(お金であれ労力であれ)ただ事ではないことは確か。きのこというのは、ここまでのコストの元が取れるのかと、感心する。
それはともかく、その道は一本ズレた尾根。さすがにこれはおかしいと気付いて引き返す。
予定外に歩くことになり、グッタリ疲れた。
2020年1月9日 一人で