COLUMN

 


フリンフリン物語

例えば東京からゲストが来る。
当然、どこかに案内しなければならない。
でも、
 
「千畳敷カールは昨日行きました」
 
とか言われると、もう連れて行くところがない。
困っていると
 
「亀田さんには地元愛がないんですか」
 
なんて言われることになる。
いや、駒ヶ根に千畳敷カール以外に連れて行くところなんてないでしょ。愛の有無は関係ない。
 
千畳敷カール以外で、唯一のオススメが、秋分の日に行われる、五十鈴神社の花火だ。
これに連れて行ってガッカリされたことは未だない。
だから知人には
 
「駒ヶ根に来るなら、秋分の日に来てよ」
 
と伝えることにしている。
 
今年の秋分の日、ついに東京からゲストが来た。
元カノ。
と言うとだいぶ語弊がある。ぼくが一方的に好きだっただけ。
でも、昔好きだった人に会うなんて、ワクワクしちゃう。前の日あたりからソワソワ。何年ぶりだろー、って。
 
「ようこそ駒ヶ根へ!」
 
なんつって、柄にもなく張り切っちゃってね。
これは久しぶりに楽しい一日になりそうだぞ、って。
でも、そんなテンション、長くは続かない。
ふと気が付くと、ぼくと、彼女と、奥さんの3人。
繰り返すよ。
ぼくと、
彼女と、
奥さん。
 
なぜこの状況を想定しなかったのだろう。
地獄の三者面談。
火の粉浴びてるワケでもないのに、火あぶり。
死ぬ。
 
まぁ、そんな地獄をなんとか生き抜いて、花火見て盛り上がって、また明日、と。
 
で、翌日は、駒ヶ根が全国に誇るハーフマラソン大会。
 
「行ってらっしゃい。頑張って」
 
と奥さんを送り出す。
ぼくは彼女と二人きり。デート、みたいな。
バスとロープウェイを乗り継いで千畳敷カールへ。
カールを一周しようかと思っていたんだけど、彼女が
 
「登りたい!」
 
って言うからね。
ぼくだって、昇りたいし。
というワケで、極楽平まで。
うん。ぼくも天国にイキたい。
 
そんな一日。デートっぽい日曜日。
でも、半日一緒にいても、ぜんぜんそーゆー雰囲気にならない。
山に登ってたら霧が出てきて
 
「あー、ガスってきちゃった」
 
とか言うんだけど、ぼくとしてはね、どっちかっつーと
 
「ふぅー、ゲスってきちゃった」
 
ってのが、希望なの。
でも、ぜんぜんそんな雰囲気にならない。
他人からよく
 
「KY」
 
って言われる。
まぁね、自覚がないわけじゃない。亀田薬局もイニシャルはKYだしね。
でも、言わせてもらうけど、KYって言っても空気が読めないわけじゃないんだ。読まないだけだから。
だから分かるの。
ぜんっぜん、そーゆー雰囲気になってない。
 
どうゆうこと?
斉藤由貴みたいな女はどこにいるの?
 
というワケで、
 
「亀田と不倫してみたーい」
 
って女子を募集してみたいと思います。
連絡待ってます。

……
………
いやね、来るわけないでしょ。
これ読んで連絡してくる女なんて、アタマおかしいでしょ。
ぼくだって、そんなこたぁ分かってますよ。
でもね、万が一、万が一ってことがあるかもしれないじゃない。
もし、連絡が来たら…
ちょっと、奥さんに相談してみる。
 
 

2017年9月27日

 
 

 
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