ケータイに着信。
懐かしい名前。
大学の同じゼミで、一番仲が悪かった男。
彼以後、彼以上に仲の悪くなった相手はいない。
大人になれば、気の合わない奴とは付き合わないから、仲が悪くなることもない。
仲の悪い、最後の男。

電話に出てみると、彼の奥方。

「今朝、亡くなった」
 
と。
大腸ガンだったそう。
本当に驚いた。

卒業後一度だけ、ゼミの総会で会った。
双方、大人の対応。
と言うか、卒業してしまえば利害関係はまるでないので、意外なほどに談笑。
連絡先を交換し、年賀状を出すように。
と言っても、宛名ソフトが自動的に彼の住所氏名を印刷していただけだが。

そう言えば、発売と同時に飛びついたHT-01Aというスマホの誤作動で、彼に用もないのに電話が掛かってしまったことがあった。
それが彼の声を聞いた最後。
2008年に発売のスマホ。

それをきっかけに、スマホからガラケーに戻した。
そして、未だにガラケー。
さすがにそろそろスマホにしようと思っていたけど、こんなことがあると、何となく替えづらい。

ちなみに、彼のケータイはPHS。
へそ曲がりなんだよ。
 

2016年4月18日