COLUMN

 


あしびきの

子どもが保育園児の頃、ほぼ毎日、お迎えに行っていた。
毎日お迎えに行く父親は、やはり珍しい。
保育園の先生が、疑問に思うのも無理はない。
娘だったか息子だったかは忘れたが、ある日、聞かれたらしい。

「お父さんは毎日何をしているの?」
「鳥とりに行ってる」
「猟師っ!?」

なるほど。日本語は難しい。
しかしいまどき、猟師なんていないだろう。
そう思っていたのだが、先日、高烏谷へ伊那方面から登る途中、猟師の車、十数台とすれ違った。
すれ違ったあと、しばらく行くと、ヤマドリの羽が散乱しているのを見付けた。死体はなかった。

尾羽だけ拾ってきた。
鳥撮り人としては、ちょっと複雑な気分だった。
 

2016年2月8日

 
 

 
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