COLUMN

 


本「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」

 

山の王子です。
お時間お待ちいただき申し訳ありません。よろしくお願いします。
 
ネット上では
「合コンのことを意見交換会と呼ぶのか」
と話題ですが、不敬ですよね。ホントに文字通りの意見交換会だったのかもしれないじゃないですか。
いやね、婉曲表現ってのは知ってますよ。でも、文字通りってのも知っておいて欲しいんです。
 
先日、奥さんと登山しました。聖山って山。片道2kmくらいで危険箇所もない、登山と言うよりはハイキングと言った方が良いだろう山。そのハイキングで、下山道を間違えて、うっかり隣の登山口に出ちゃったんです。隣と言っても結構距離があって、結局、12kmほど歩く羽目に。
アスファルトの道路を登山靴で歩くって、これが想像以上に疲れる。もう、ヘトヘト。
クルマ走らせて帰路についたんだけど、これこのまま運転してたら事故って死ぬぞ、ってくらいに疲れていて。
というわけで、休憩できそうな所に飛び込みました。
婉曲的には「ブティック」「ファッション」「レジャー」などと呼ばれてるそうだけど、良く聞くのは「ラブ」ですね。
ええ、ラブな方のホテルに入ったわけです。
で、何をしたかというと、風呂入って寝ました。爆睡。
休憩。休憩に「ご」を付けて高貴な香りを漂わせ「ご休憩」と呼んだところで実態は変わりません。文字通りの休憩。
 
文字通りってこともあるんだぞ、ってハナシ。
というわけで、文字通りの「意見交換会」がしたいな、と。
 
「人工知能はどのようにして「名人」を超えたのか?」/山本一成/ダイヤモンド社
 
って本を読んで、全員集合。
 
山本一成さんというのは、将棋AIポナンザの作者。ポナンザは、先日(2017年4月)、佐藤天彦名人に勝ちました。だからこのタイトル。勝つ前の(連載時の)タイトルは「人工知能はどのようにして「名人」を超えるのか?」でした。余談ですけど。
すごく平易な文章で書かれているし、字も余白も大きくて、とても読みやすい。頑張れば立ち読みでいけるのではないか(ぉぃ
 
本当に分かり易くて、機械学習と強化学習については、これを読んで初めて理解した。
いままでもあちこちで読んでいたから、知ってはいたけれど、説明しろと言われたら
「えーと、どっちがどっちだっけな?」
みたいな。ちゃんと理解していなかったのでしょう。
いまなら、知らない人にも、一応説明できるぞ。
一方で、深層学習(ディープラーニング)については、相変わらずトホホな理解。これを読んでも
「なるほど、そういうことか」
とは思えなかった。ポナンザにディープラーニングが実装されたのはごく最近ということもあって、それほど詳しく触れられてないんだけど。
まぁ、ディープラーニング知らなくたって、シンギュラリティは迎えられるんですけども。
 
著者のシンギュラリティに関する見解は、ぼくの従来からのそれと、ほぼ同様。
シンギュラリティ来ない派の人も、これ読んであきらめたら良いのに。
ディープブルー(チェスAI)やポナンザに対するぼくの誤解が明らかになったり、AI開発者だからこそ言えるのだろう知見があったり、目から鱗の考え方に出会ったりと、読んで良かった一冊。
人工知能に関する本を一冊、と言われたら、ぼくはこの本を薦めたい。
 
えっ、そんなことより?
奥さまとお話をされるときは幸せを感じるか? 
それにつきましても時期がまいりましたら改めてお話しさせていただきたく思います。
 
 
(追記)
5月21日のTBS「情熱大陸」が、山本一成。
(一ヶ月ほど前の)世界コンピュータ将棋選手権の決勝戦で、Ponanzaが負けたこと。5月20日(放送前日)に電王戦で、佐藤名人にPonanzaが圧勝したことが紹介されていた。
でも、一番驚いたのは、奥さんが藍さんという名前だったこと。AIさんって…(笑)
 

2017年5月17日
2017年5月22日(追記)

 
 

 
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